2007年4月13日、私の留学生活がスタート。最初、私をもっとも悩ませたのは、他人へのうらやみの感情。お金持ちの両親のもとで育ち、留学にさらっと来ちゃっている奴らに、なんとも言えない感情を持った。だけど、そういう彼らとも友達になっていく中で気づかされたこと。それは、どれだけ自分が恵まれた環境の中にいさせてもらっているかということ。私は自分の中のどこかに、自分の家庭環境をネックに思っていて、だけど、それを押し殺していたように思う。しかし様々な環境で育った、多種多様な人との出会いを通じて、お金と両親が全てじゃないと本心で思った。そう思ったら、自分が押し殺していた、両親への悲しみの感情を受け入れることができた。そして、楽になった。ある晩、ちっちゃい頃の夢を見た。おばあちゃん家にいて、夜中の12時前、隣で寝ていた母が夜勤に行くために起き上がる音。気づきながらも布団にもぐりこんで涙をこらえる12歳の私。翌朝、6歳の妹の手を引いて、保育園に連れて行き、学校へ登校。これは、中学時代の私の生活の一部だった。さびしかったし、悲しかったけど、自分の心の中にグッと押し込んでいた。今はそのときの悲しみにまっすぐ目を向け、そして、その悲しみを覆うほどの幸福が自分を取り囲んでくれていると本気で思うよ。
それから留学を通じてね、もっと自分の中の自分と向き合って生きたいと思った。これまでの自分は上を上を目指してやってきた。「上」っていうのは社会的名誉の高そうなもの。それは決して悪いことじゃないんだろうけど、そのことにあまりにも必死だったように思う。聞こえのよさそうなものをなんでもかんでも手に入れようとすることよりも、自分の目の前に広がるものの中から、自分が好きなものを丁寧に少しずつ選んでいく生き方をしたい。そのために、一生懸命がとりえの自分が一生懸命でありたいと思う。
今回の留学で私が得たもの、気づかされたことは本当に付加価値なもので、それは英語の習得以上に大切なものじゃないかな。誰もが何かしら抱えて生きている。この9ヶ月を通して、私は自分の中のその部分をまっすぐに見ることができた。今、全てを含めて、全てに感謝したい。私のこれまでのバックグランドとその中での人との出会い全てが今回の留学を実現化させてくれた。今の家族と家庭環境がなければ、自分は自分ではないわけで、
これを読んでくださっている、みなさんにもお会いすることができなかったわけですから。留学中、苦しいこともたくさんあったよ。本気で逃げ出したいと思うこともあった。だけどそういう時間があったからこそ、そのたびに日本にいる家族を思い、友達をおもい、そして、自分が幸せものだと本気で思うことができた。そう思える瞬間を持てるかどうかって、大きなことだと思うし。だから、私はこの留学が大成功であったと声を大にして言いたい。そしてこの場をおかりして、最後に一言。
最愛なる母とそして最愛なる亡き父へ。
「いま、素直にふたりの出会いが尊いものであったと、真にそう思います。感謝します、ありがとう。」
2007年12月25日
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by aust-megutti
| 2007-12-25 13:14